2014 トモスラン第3章

岩手県陸前高田市の米崎小学校から釜石市の陸中海岸グランドホテルまでを走る(一部、三陸鉄道南リアス線の貸し切り列車を利用)マラニック "トモスラン" の関東からの参加者の為のバスを運転しました。

 

トモスランはマラソン大会と違いタイムを競う競技ではありません。

東日本大震災の被災地域を自動車だと見逃してしまうような小さな出会いや景色を、自分の足で走って見て、話して、感じる震災を絡めたイベントです。

 

大会の前後に被災地視察やお祈り、三陸沿岸部の観光や漁業体験も日程に加えました。

 

新幹線よりも少ない負担で、三陸を存分に感じていただき、Tomosu Runの参加者を促進するため、ボランティアバスを運転しました。

金曜日:夜 新宿駅、南浦和経由で出発。


 

土曜日:朝 石巻市に到着、上品の郷、旧大川小学校に寄る。

      南三陸町へ移動、高野会館、防災対策庁舎に寄る。

      韮の浜で漁師の方のお話を聞く

      泊浜で漁船に乗り漁業体験、昼食。

      気仙沼市内を視察。

      陸前高田市に移動、米崎小学校体育館でトモスラン前夜祭に参加。

      宿泊先に移動


 

日曜日6:00~走力別にチーム分けしてトモスラン第3章スタート

    エイド ① 5km地点/陸前高田市 小友小学校

        ②      /大船渡市  おさかなセンター

        ③16km地点/大船渡市  夢商店街

         17km地点/大船渡市  かもめの玉子(さいとう製菓)

        ④20km地点/大船渡市  中赤碕商店街

         25km地点/大船渡市  簡易エイド

        ⑤30km地点/大船渡市  八ヶ森トンネル出口

        ⑥33km地点/大船渡市  三陸鉄道 綾里駅前(関門13:40)

        ⑦40km地点/大船渡市  三陸鉄道 恋し浜駅(関門13:55)

        ⑧43km地点/大船渡市  三陸鉄道 甫嶺駅前

        ⑨48km地点/大船渡市  三陸鉄道 三陸駅前(関門14:15)

        ⑩55km地点/大船渡市  三陸鉄道 吉浜駅前(全員乗車)

       /釜石市   三陸鉄道 平田駅まで乗車

平田駅から全員でゴールのある陸中海岸グランドホテルまでラスト4km走る。

陸中海岸グランドホテルで入浴後、後夜祭

 陸中海岸グランドホテル宿泊

 

 

月曜日:朝 鵜住居防災センターでお祈り。

      道の駅三陸、盛駅、大船渡夢商店街で買い物休憩

      名勝「碁石海岸」      

      陸前高田市 軌跡の1本松見学

     気仙沼市 南町紫商店街で昼食

 

      全日程終了。南浦和経由、新宿へ向け出発

 

 

最初の目的地である石巻市の旧大川小学校に到着。犠牲者へお祈りさせていただきました。

 

ボラバスではほぼ毎回寄ってます。

この近辺だけ震災から時間が止ったような静けさがあります。






南三陸町 韮の浜漁港へ移動


韮の浜漁港で漁師の方からのお話を聞きました。


 

ワカメやホヤの仕掛け作り中。小学生の男の子も手伝ってました。

 

続いて泊浜漁港へ移動。

 

 

ホタテと牡蠣養殖作業の漁業体験です。

 

全員ライフジャケット着用して漁船に乗り込みます。

 

 

 

 

小雨降る中、仕掛けの沈めてある海域へ移動。

 

まずは牡蠣から。


 

牡蠣にワカメやフジツボが沢山張り付いてました。

 

牡蠣表面についてるフジツボを専用の刃物を使って剥がします。

 

続いてホタテ

 

 

 

 

 

大量のムール貝が網に付いてます。

 

フジツボ、ムール貝、他、色々付いてます。

これを船上で剥がします。


そしてその場で試食!

何処で食べる物より最高に新鮮なホタテです。

ホタテ・牡蠣・サンマを炭で焼いて頂きました。






トモスラン前夜祭会場へ移動

 

 

南三陸町を離れ、トモスラン前夜祭会場のある陸前高田の米崎小学校へ移動

 

震災語り部の方、紙芝居師なっちゃん、大船渡のシンガーソングライター濱守栄子さんのライブが行われ、前夜祭では仮設の方も招かれ食事会が行われました。


写真中央は陸前高田のゆるきゃら「ゆめちゃん」です。

前夜祭終了後、この日の宿(少しはなれた所)へ移動しました。

翌日は6:00スタート。宿からスタート地点のこの小学校にバスで移動するので起きる時間は4時半。

夜更かしなんて出来ません!少し夜更かししました。

まもなくスタートの6:00

辺りは濃い霧が出てます。

仮設住宅の方々も大勢応援で出て来てくれました。

 

走力別にスタート時間をずらし、速いランナーから順次出発。

仮設の方々数十人、大人も子供も皆手を出してランナーとハイタッチ!

 

スタートしてから6km程行くと門之浜漁港に到着。

一瞬だけ霧が晴れました。


しかし、暫く漁港脇を走ってるとすぐに霧が濃くなってくる。

 




なにやら凄い漁船発見!

 


 

 

 

 

明るそうなライトが沢山付いてます。


 

 

 


さんま漁船なんだとか。

 

暫く漁港を見ながら走ってると 漁船で戻ってくる漁師のお父さん発見。


「何が釣れたんですか?」と聞くと、「どんこ取れた」

 

 

 

 

漁船の桶の中はアナゴ?がいっぱい。

お父さんの足元にはどんこ?が数匹。


トモスランはタイムを競うマラソン大会ではなく、マラニックなのでタイム計測はありません。制限時間内にゴールすれば良いので時々立ち止まって地元の方との交流します。


漁港を離れ3番目のエイド大船渡夢商店街に向います。


大船渡もまだまだ震災の爪あとが残る光景がありました。






3番目のエイド、大船渡夢商店街に到着。

先にエイドに着いたグループ、商店街の方々、トモスのスタッフが歓迎してくれました。


なんだかエイドの度にいろんな人から歓迎&ハイタッチされるので、エイドごとにゴールしたみたいな感覚です。まだまだ先は長い!

こちらの商店街で朝食タイム

 

 

 

とても明るい商店のお母さん方が生姜たっぷりのつみれ汁を振舞ってくれました。




朝食を頂き、次のエイドへ向け出発!




 

中間エイドの岩手名物かもめの玉子 さいとう製菓に到着。


お茶とかもめの玉子を頂きました。


ボラバススタッフランナー菅野さんがマスコットと同じポーズで記念写真!


美味しいものを食べる。地元の方と話したり写真撮影等々、緩く走るのはレースの緊張感の無いマラニックならではです。でも距離はフルマラソンより長いけど




次のエイドへ向け出発!

ここまで来るとエイドに行くのが楽しみになります。





 

物凄い迫力の工場!


 

セメント作ってる工場なんだとか


 


この辺から天気がどんどん良くなり気温が上がってきました。

 

 

道中こんな看板が至る所にありました。

 

 

 

復興が遅い!流れを変えよう






4番目のエイド 中赤崎商店街に到着

先行グループと商店街の方達の歓迎を受けました。

商店街の近所に住む子供が遊びに来てました。

 

子供達にお菓子を配るランナー。

やはり仮装ランナーは子供受け良いですね。

 

ここではさんまの天ぷら入り蕎麦とおにぎりとチャイを頂きました。



次のエイドへ向けスタート!



綺麗な景色を見ながら順調に走る。

所々紅葉してます

 

 

 

海を離れ山に向って行く。


 

この先から坂道がキツくなるんだとか。

 

ボラバスがクラクションを鳴らし追い抜いて行きました。


写真では解りにくいけど、ここは結構な斜度の上り坂。


 

「速いなぁ」って言いながらバスを見送ってました。








25km地点 簡易エイドに到着

 

ようやく坂を上りきりトンネル手前にある25km地点の簡易エイドに到着。

 

キツかった~


飲み物が美味しい!

 

 

 

簡易エイドを出てすぐに長いトンネル。



真っ暗なので懐中電灯で足元を照らしながら進みます。






30km地点 八ヶ森トンネル出口エイドに到着

 

 

トンネルを抜け、スタートから30km地点にある八ヶ森トンネル出口のエイドに到着。

 

この辺りから天気が曇り空になり涼しくなってきました。

 

 

 

 

牡蠣養殖の生簀でしょうか。



海面にいっぱい浮いてました。

何気なく足を見たら何かの植物の種?棒状の物が沢山付いてました。沿道を封鎖する大会と違って歩道を走るマラニックならではの光景です。

伸びた雑草が歩道上にせり出してたので、それで付いたんでしょう。着ぐるみランナーの方の足元にも沢山付いてました。






最初のゴール地点 綾里駅に到着!

スタートから33km(実際は35km)地点にある最初のゴール綾里駅に到着。

ここから三陸鉄道 平田駅まで貸切列車で行き、最後は全員で平田駅から4km先にある本当のゴール「陸中グランドホテル駐車場」へ向います。

制限時間には余裕があるので、まだ走れる人は40km地点にある恋し浜駅まで走ります。貸し切り列車は綾里駅→恋し浜駅→三陸駅前→吉浜駅で止ります。



制限時間と気力の限り先の駅まで進みます!

 

 

最初のゴール、綾里駅では巨大獅子舞が出迎えてくれました。


 

 

残念ながら動画は撮影失敗したけど豪快に動いてました。

 

もう少し走れそうだったので次の恋し浜駅まで走る事にしました。

 

残る人が多く、一緒に走ってきた仲間に見送られながら恋し浜駅を目指します。この先は凄い上り坂があるんだとか…

 

上ってる最中はとても写真を撮れる状況ではありませんでした。キツイ!

 

いろは坂みたいな曲がりくねった難所を登り、遂に頂上へ。

 

頂上から見る景色は最高でした。

 

紅葉も綺麗で写真撮影タイム!

この後ひたすら下って…






ゴール! 恋し浜駅に到着しました。

東北のキャンディーズのお三方の歓迎を受けました。


綾里駅で別れたランナーはボラバスに乗って先に恋し浜駅に到着、出迎えてくれました。

貸し切り列車到着!

 

列車内では地元のシンガーソングライター濱守栄子さんのライブが行われました。国道45号線の歌がとても印象的。

始めて南三陸町に訪れた時、国道45号線沿いの沢山の倒壊家屋や橋げたごと流された歌津大橋を見ました。震災前は桜の木が植えられ、お土産屋や飲食店も一杯あったそうです。大切な生活道路で小さな時から大きくなるまで思い出も沢山あったでしょう。

 

あっという間に平田駅に到着。

列車は速いと改めて実感


 

すっかり体が冷え切ったけど、残り4km最終ゴールのある陸中海岸グランドホテルまで走ります。


辺りは夕方。風が冷たい。


皆でゴールを目指す。


ゴールのあるホテル周辺まで来ると既に空は真っ暗でした。


 

先にゴールした人達が次々ゴールしてくる後続ランナーをハイタッチで迎える。

 






そして…

 

参加ランナー全員無事ゴール!

 

 

 


トモスランナー全員ゴール後は応援に来た子供達やキャンディーズもゴール!
トモスランナー全員ゴール後は応援に来た子供達やキャンディーズもゴール!


一番長く走ったグループは65kmとの事です。

お疲れ様でした!!






 

陸中海岸グランドホテルでお風呂に入り、ホテルのコンベンションルームで後夜祭です。



20:30 皆で記念写真の撮影、最後の一本締めして

 

2014 トモスラン第3章は終了しました。



この後、近くの居酒屋で二次会をやって解散。

ホテルで就寝しました。

翌朝、トモスラン参加者に別れを告げ、ボラバスは被災地視察に向け出発。

夜は気付かなかったけど、ホテルの近くの道路の中央分離帯に立派な虎の像がありました。






釜石市の追悼施設に訪れました。鵜住居防災センターは取り壊され、この追悼施設が建てられていました。この地区で犠牲となった方に、お祈りさせていただきました。


 

 

 

被災地には各地に悲しい思い出があります。

 

南三陸町の防災対策庁舎や気仙沼の漂流した大型漁船第18共徳丸(解体されました)など、解体を望む声もあります。無くなったとしても「そこで何があったか」決して忘れてはいけません。

 

 

気仙沼 第18共徳丸
気仙沼 第18共徳丸

三陸鉄道始発駅である盛駅に来ました。


BRTと列車、双方乗り入れてます。

 

 

盛駅ではイベントをやってました。

 

去年のトモスラン参加者には懐かしい場所との事です。






碁石海岸へ移動

 

 

 

 

碁石のような玉砂利で敷き詰められた海岸、碁石海岸を見学します。

 

 

 

何か所か見晴らしの良い展望台がありました。


 

 

絶景!!

 

 

波音が心地良い

海岸まで降りました。

満潮で殆ど手前の方までしか行けず、碁石のような石ま見られませんでした。






陸前高田市に移動

軌跡の1本松を見に行きます。

 

奇跡の一本松のある場所へ行く途中にあるかさ上げ工事の土を運ぶ巨大コンベア橋「希望のかけ橋」は凄い迫力でした。

夜間ライトアップされてるそうなので、いつか夜間バージョンも見てみたいです。

 

10分ほど歩いて到着。

 

 

 

有名な軌跡の1本松」


 

 

こんなに大きな松が1本だけ残ったのが驚きです。






気仙沼 南町紫市場へ移動。

ここで昼食を頂きます。

商店街の中にある特急寿しというお店で遅い昼食を頂きました。

 

 

 

 

写真の散らし寿司が650円!かなり美味かったです。



 

 

料理が出てくる間、カウンターに居た店主の奥さんから「うちの店初めて?どうしてうちの店が特急寿しって言うか解る?」と聞かれました。

 

料理が出てくるのが特急(早い)から?と答えると、

 

「違うの、そこに置いてある汽車がお寿司を運んでたの。」

 

 

しかし、2011年の大震災でお店を失ってしまいました。




瓦礫の中から見つかった機関車。

津波に流され壊れてしまいました。もう走らないそうです。

 

機関車本体は見つかったけど、線路は見つからない。


旧西ドイツ製で日本では珍しく、線路だけ見つからない事を知ったボランティアが線路を探し出して店主へ送ったそうです。

お店に展示してあった2009年の特急寿しが掲載された新聞記事。






被災地での全日程が終了。帰路に着きます。

帰りのバス車内はとても静か。疲れて寝てる方が多いみたい。

高速に乗り、降車地の南浦和/新宿を目指す。

 

 


南浦和乗車メンバーはここでお別れです。

 

 

 

お疲れ様でした!

大規模災害時に、東京からボランティアバスを実施しています。

ワカメの仕分作業(南三陸号)
ワカメの仕分作業(南三陸号)
BRT体験試乗(南三陸号)
BRT体験試乗(南三陸号)
復興商店街で夕食(南三陸号)
復興商店街で夕食(南三陸号)
塩害畑再生作業(南三陸号)
塩害畑再生作業(南三陸号)
大工仕事お手伝い(南三陸号)
大工仕事お手伝い(南三陸号)
買物バス運行(南三陸号)
買物バス運行(南三陸号)
作業具を積み込み(南相馬号)
作業具を積み込み(南相馬号)
竹の伐採作業(南相馬号)
竹の伐採作業(南相馬号)